現在、一般的に多くたてられている木造住宅を「在来工法」と呼び、「伝統工法」と区別しています。
何が違うかというと、現在の住宅はほとんど土壁をつけません。
土壁を付けると通し貫という柱間を貫通する板を差し込みます。
これが、地震の際に突っ張りの役割を果たし、粘りを生んでいました。
土壁を付けない断熱材の家が主流となり、また阪神淡路大震災や姉歯事件など社会情勢に伴って、建築基準法は改正されていき、現在、構造用金物を躯体に取り付けなければならなくなりました。
昔の家は、これら構造躯体を留めるときに釘や金物を使っていません。
何で留めていたかというと「込み栓」や「シャチ栓」と呼ばれる堅木を細く加工した木の釘です。
また多種多様の継手・仕口を用いて、頑強な構造躯体をつくりだしていました。

西渕工務店では、これらの伝統工法の良さを残し、新しいものを採り入れながら伝えていきたいと考えています。





木で出来た釘を「栓」と言います。
昔の家はこのように釘や構造用金物の代わ
りに栓を打ち込んで、木材と木材を緊結させていました。






土壁の下地となる貫板。
柱に穴を開けて、ここを貫板を通していくので「通し貫」と呼ばれます。
貫板を軸に竹を縦横に編み、藁縄を巻き付け、壁の下地となります。
地震の際にはこれらが一緒に揺れる柔構造となり、家を支えます。

左官の技。

日本の歴史の中で、古くは飛鳥時代にまで遡る土壁。
日本家屋の礎であり、文化でもあります。
しかし、今、時代の変化と共に失われつつあります。

土壁の良さは、なんといってもその調湿性にあります。
土は呼吸しているので、湿度が高いときには湿気を吸い、逆に湿度が低いときには水分を放出して 室内の空気を快適に保ってくれます。
また蓄熱性があるため一度、温まってしまえば冷えにくいという性質もあります。
そして、土は燃えないので2㎝以上の厚みがあれば不燃材と認められています。


内子町にある八日市・護国の伝統的建造物保存地区。
1982年に国に指定され、古くは江戸時代から残る家々を保存していく取組が行われています。
これらの町並みが町並みとして建築当初の姿を残していくために、手を加え改修工事を行っていく必要があり、西渕工務店でも数件の住宅を改修してきました。
土の壁を落として、棟上げがされた状態まで戻し、傷んだ木材を取り換えたり、新たに土壁をつけたり。
先人達の技術に触れて、内子の左官技術は発展し、また西渕工務店もその技を受け継いでいきます。