西渕工務店通信

木の話

2012年 06月 16日 (土)

昨日、「チルチンびと地域主義工務店の会」の研修で、大分県旧上津江村に行ってきました。
チルチン会員さんが利用している製材所さんですが、杉の育林から木材加工まで行っている大きな製材所です。(小さい方とおっしゃってましたが、九州ではそうなのでしょうか。愛媛はそういうところはほとんどないんじゃないだろうか)

こちらの特徴はなんといってもこれ。
さて、なにかほかと違うんです。

大量の木材が、置かれています。
こちら「輪掛け乾燥」という乾燥方法。
伐採した木材をこのように積み上げ、1年半ほど置いておくのだそうです。
つまりは自然乾燥です。
そもそも、どうして木の家がいいのでしょう。
という話から始めると、
木というのは、視覚・嗅覚・触覚に大きく語りかけてきます。
目で見て和む、いい匂いの安らぎ、肌触りのよさ。
それらが合わさって、心地よさを感じさせてくれる訳ですが、これを今、科学的に証明しようと実験しているらしいですよ。
木はですね、伐っただけでは使えません。
植物なので、水分をたくさん吸ってるんですね。
その水分を減らしていく、つまり乾燥させる必要があります。
昔は、このように自然乾燥をしていました。
時代が進むにつれ、その時間を待つのが億劫になったのでしょう。
機械で乾燥させるという方法が生まれました。
つまりですね石油を使って、温度を上げて無理やり水分を飛ばすんですね。
そうすると、すばやく乾燥します。
しかし、木材が変色し、特有のいい匂いがなくなり、なおかつ強度的にも弱くなります。
納期は間に合いますが、木を使うメリットが半分以上なくなってますね。
それを補うのが中温乾燥です。
こちらも石油を使うけれど、高温ほどは温度が上がらないので、匂い・色・強度を保つことができます。
あと弊社で仕入れる木材は「燻煙乾燥」のものもあります。
こちらになると愛媛県産じゃなくて高知県産になります。
(愛媛県産の木材を使うと、補助金があったり、ローンの優遇があったりします。
食べ物の燻製と同じで、直接熱を当てずに、煙でじっくりと燻していくというやりかたです。
こちらは独特の艶が出ます。
ほんとはこんなかんじに自然乾燥が出来ればいいんでしょうけど、なかなかすべての木材を!というわけにはいかないので、弊社ではいろいろな木材を使い分けているような感じです。
↑これらは杉材に関するお話。
杉は心材(中心部)と辺材(外側)の含水率(水分のこと)が違うらしく、均一に乾燥させていくのが難しいんだそうです。
割れが起こりやすいんですね。
中温乾燥にも技術を要するとかなんとか。
今回見学させていただいた会社「トライ・ウッド」さん。
たくさんの技術と豊富な山を持っていて、こだわりのある会社さんで、誇りを持って仕事されています。
いいものはいい!と胸を張って誇ることができる。
生き生きされてました
日帰りしてきましたよ。
行き帰り両方とものフェリーで爆睡でした。


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