新しい図板
2020年 06月 27日 (土)
ここのブログを何度も見てくださってる方は何回も聞いた説明でしょう。私も何回も書いた気がするけど、お付き合いください。
そういえば先週の情熱大陸で建築史家であり建築家の藤森照信さんがおっしゃってましたが、建築の作業は自分が何をつくっているか明確に見える作業で、そこが面白いのだと。
下地とか見えなくなるものはたくさんありますが、そうですよね。
情熱大陸面白かったです、余談ですが。
それで、まあ何が言いたいかと言いますと、新築の場合は何もないところから家を生み出します。
西渕工務店は大工さんしかいないので、大工さんができない・やらないことはほかの会社さんにお願いします。
土地にはコンクリート基礎を基礎の会社さんがつくります。
山から伐りだされた木は製材所さんで製材されて乾燥をかけてもらいます。(杉の乾燥とてもムズカシイ)
やってきた木材を、書いた図面通りになるように墨付けをし、刻んで、上棟します。
ここまでに水道や電気の設備の仕込みや仮設工事(足場とか)などもあります。
ということで、新しい現場の木材が工場に納材されたので、大工さんが墨付けに入るんですが、その前に一旦図板を書くという作業があります。
昔は大工さんが設計もやっていたのでこれが設計図だったそうですが、今は紙の図面があるので本当は必要ない作業といえば作業。
紙の図面を一度、棟梁が書くことで自分の頭の中に入れていきます。
こっちの方言で「腹入り」といいます。
私はこの腹入りという方言がとても好きなんですけどね、標準語だと「頭に入れる」とか「頭に叩き込む」とか「自分のものにする」みたいな言い方をするんでしょう。
「腹入り」。動詞にすると「腹入りさせる」。
「腑に落ちる」に通じるものがありますよね。
一式図面を書くことで大工さんの頭の中で家が組みあがるんだそうです。書くのは平面図と構造伏図といって木材の木取りです。
どの部分が化粧で見えてくるとか、そういうのを考えます。