人の集う家
大洲市
外観イメージ
高低差のある敷地に建つ。 漆喰と瓦の外観が歴史ある街に新たな景観をつくっていきます。
内観イメージ
茶室をもち、趣向を凝らした部屋が何部屋も…。 またご紹介します。
地鎮祭
3月吉日、地鎮祭を執り行いました。 神職の方にお越しいただき、お祈りをしていただきました。
地鎮祭
ご親族に多数列席していただき、にぎやかな式となりました。 誠におめでとうございます。
基礎工事(配筋)
今回は布基礎と呼ばれる基礎の方式をとります。 敷地に高低差があるため、背の高い鉄筋が組まれています。
墨付け
時を同じくして工場では大工さんが構造材の墨付けを行っています。 一本一本確かめながら行っていきます。
布基礎脱型
コンクリートが打設され、養生機関の後型枠が外されました。
刻み
8mの長さのある杉の丸太。 やだきといって棟の下に配置されて屋根を支えてくれます。
自然石
アプローチ部分の柱を受ける部分に自然石を使います。 現物の丸みに合わせて柱を刻んでいきます。
土台敷
基礎が完成し、上棟を前に土台を敷きました。
上棟
6月、梅雨の晴れ間となったこの日、上棟を迎えました。 柱を立て、そこに梁を納めていきます。 今回は土壁の家ということで、通し貫という土壁の下地となる板もこの時に一緒に納めます。
梁
柱の次は胴差と言って、建物の外枠部分をくみ上げます。 その後、梁や桁を順番にかけて行きます。
継手
部材が長く必要な場合は継手と呼ばれる加工を木材に施します。 写真は同じ形状に加工したものを上下から組み合わせて一本にしているところ。
2階柱
1階の梁・桁まで納めると続いて二階へと…。 二階の床下地を貼ってから、柱を立てていきます。 同様に貫板が3本見えています。
丸太
二階の軒桁の上に丸太梁を架けているところ。
下屋部分
2階建ての家の平屋部分のことを下屋(げや)と呼んでいます。 高低差があります。 柱に梁を挿しつけていきます。
やだき
「やだき」と呼ばれる部材を納めます。 8mの一本ものの杉の丸太。 棟木の下で屋根を支えてくれる部材です。
棟納め
やだきの上に小屋束を立て、とうとう棟を納めます。 上棟です! 誠におめでとうございます!!!
屋根仕舞
棟が上がると、屋根を作って風雨から家を守る工事をしていきます。 垂木という屋根の下地となる木材を打っていきます。
屋根仕舞
垂木の上に野地板という下地板を貼って、更に防水紙を貼って行ったところ。 瓦葺きなので、瓦桟という瓦が乗る下地板が打たれたところです。
窓枠
サッシなどの荒枠を入れていきます。
丸桁
下屋の庇となる丸桁を取り付けているところ。
垂木・野地板
↑の丸桁の上に、垂木と野地板が施工されました。 きれいな赤身の木材です(^^)/
網代天井
杉板を薄く剥いだものを斜めに編んでいきます。 網代天井と呼ばれています。今回は下地板の上で大工さんが編んでいって、これを現場で取り付けるような形です。
網代天井その2
別角度から。 きれいな天井ができました。既製品でなく大工さんの手づくりでした!仕上がりが楽しみです。
網代天井その3
工場で組んだ天井を現場に搬入して、みんなで取り付けました。
網代天井その4
汚れたりキズがつかないように養生しています。 出来上がりのお目見えが楽しみですね!
えつり
土壁の下地となる竹小舞下地を組んでいきます。 梁や柱に小さく丸い穴をあらかじめあけておき、ここに間渡し竹という細い竹を差し込みます。
えつり
縦横に組んでいきます。
えつり
えつりが編み終わりました。 小舞竹を縦横に組んで藁縄で締めていきます。
えつり
壁一面の竹小舞下地。
荒壁塗
昔ながらの土壁。 えつり(竹小舞下地)の上に、荒壁をつけていきます。 何段階か土を塗って仕上げていきます。 土とすさ(藁を細かく切ったもの)と水を混ぜて練って、これを鏝で塗り付けます。 荒壁が一番すさが大きく、仕上げに向かうに連れてすさが細かくなるんだそうです。
荒壁塗
片側から塗り付けていき、乾燥すると反対側を塗ります。 基本的に柱は見えてきます(真壁)。
養生期間
荒壁を乾燥させます。
養生期間
荒壁を乾燥させます。
サッシ入れ
荒壁が乾燥したところで大工さんが現場に戻ってきました。 最初はサッシの取付から。
階段造作
階段を架けていきます。 側板という段板の左右の板。段を取り付けるために木材を加工していきます。
階段造作
↑で加工した木材を壁の両端に取付て、段板を乗せていきます。
階段造作
続いて蹴込板を入れて固定すれば階段の完成です。 養生してしまい、完成まではしばし見えなくなります。
物入造作
物入など造作家具をつくっているところ。
二階
和室をつくっているところ。
オープンウィン
2枚引込のサッシを取り付けるための枠を大工さんが組んでいきます。 土壁の場合は荒壁が乾いてからサッシを入れます。
外部防水シート
サッシが収まると防水シートを貼っていきます。
縦胴縁
昔の家は外部も真壁で納めることが多かったですが、今は大壁(柱を見せない)納まりをします。 防水シートの上から通気胴縁を打ち付けます。
ラス板
外壁。 縦胴縁の上から横に板(ラス板)を貼っていきます。
格子
階段の壁となる格子を取り付けていきます。
天井下地
下屋部分の部屋なのですが、天井下地の形がアールになっています。
天井仕上
下地に合わせて杉板を貼っていくと、アールの天井が出来上がりました。
竿縁天井
竿縁天井をつくっているところ。 本格的な和室でしかなかなか見なくなりましたが、細い桟のようなものを竿縁といって、それに直交させて板を乗せていくという天井。
外壁下地
外壁は漆喰の下地をつくっているところです。 ラス網を貼っています。
下駄箱
桜の一枚板を下駄箱の天板へ加工していきます。
木摺り下地
土壁の場合は真壁と言って柱が仕上げにあらわれます。 そうすると和風の印象になるため、大壁とするために木で下地をつくってここに土を塗ることで大壁のシンプルな土壁をつくることができます。
中塗り
左官さんが中塗りを行っているところ。 何層にも土を塗っていきますが仕上げになるに従って藁すさの大きさが細かくなるんだそうです。 今回は中塗りを仕上げとします。
玄関収納
玄関収納がだいぶできあがっています。
家具造作
納戸に置く家具もつくらせてもらいます。 壁一面に収納できます。
棚造作
棚をつくります。
中塗り仕上げ
荒壁の上に、中塗りを塗っていきます。 今回は真壁として柱を化粧に仕上げて、和風に見せます。
中塗り仕上げ
水を使って行う工事を湿式工法といいます。 乾燥期間が必要な分工期はかかりますが、風合いは抜群です。
外部足場解体
外部足場が解体されました。 たまご色の柔らかな質感の漆喰と、写真は全開口サッシの戸袋部分です。
洗い出し
玄関部分の床、洗い出しを行っていきます。 小石とモルタルを流し込み、上澄みのモルタルを洗い流すことで小石の表面を浮かび上がらせるという仕上げ方。品があって人気があります。
玄関石貼り
仙波農園さんが玄関土間の石を貼っているところ。
木製建具入れ
木製建具たちの仮合わせが行われています。 寸法通りにつくっても多少調整が必要なんだそうで、合わせては削って、を繰り返します。
障子と玄関引き違い戸
玄関の障子も枠だけが合わされています。 これを表具屋さんが持ち帰って障子紙を貼ってもらいます。
完成
1年以上の年月をかけてついに「人の集う家」が完成しました。 アールの天井が美しい仕上がりになっています。
完成
和室。 お茶を楽しんだりただぼーっとしたり、思い思いに過ごせる和の室礼。