風馨る家
八幡浜市保内町
外観イメージ
八幡浜市保内町に建つ「風馨る家」。 平屋建てで、越屋根と鎧板貼が特徴的な外観です。
内観イメージ
内部イメージです。 LDKは越屋根(二重屋根)部分が見えます。 サッシを取り付けて光と風を採りこみます。 リビングとダイニングキッチンの間は間仕切りを設ける予定です。
墨付け
大工さんが図板をつくります。 運び込まれた木材を解いて、名付けをおこなっていきました。 魅せる木は特に注意をしながら確認して、差替えてみたりします。
丁張
現地に丁張と呼ばれる杭を立てていきます。 建物の外周部を現していて、高さの情報などが示してあり、基礎やさんが見る定規のようなものです。
刻み
丸太梁を大工さんが刻んでいるところ。 機械で切れ込みみたいなものを入れますが、その後は手刻みです。
立ち上がり
基礎工事を行います。 ベタ基礎なので、底盤を打ってその後で立ち上がり部分のコンクリートを打設します。
土台敷
基礎が完成し、上棟の準備をしていきます。 土台と大引きを施工していきます。
床下地貼
その後、1階の床下地とその下の断熱材を施工します。
上棟
6月吉日、梅雨の晴れ間を縫って、上棟の日を迎えました。 並べられた木材たちを、一日掛けて組み立てていきます。
柱建て
今回は平屋建てなので、どんどんと柱を立てていきます。 ちなみに手前は和室なので、下地板を貼っていません。
大黒柱
家の中央付近、大黒柱と呼ばれるような一番太い柱を立てています。 そこに梁を差し付けていきます。
全景
どんどんと梁や桁を納めていきます。
ヤダキ
桁行方向、梁の上の小屋組みを支える木材をヤダキ(牛木)と言います。もしかしたら方言かも… こちらに杉の丸太を使います。
登り梁
LDKは勾配天井と越屋根(二重屋根)があります。 空間をすっきり魅せるために登り梁を用います。
棟納め
越屋根(二重屋根)は、大屋根の上に取り付けられる小さな屋根のこと。 今回はこの棟部分を納めて、上棟とします。 お施主様も棟まで上がっていただき、みんなで棟納めを行いました。
一日の終わり
そして夕方まで作業を行い、無事一日を終えることができました。 人生に何度とない晴れやかな一日です。 お施主様におかれましてはたくさんのお心遣いを賜り、誠にありがとうございました。 スタッフ一同、心よりお祝い申し上げます。
垂木
上棟後、屋根をつくっていきます。 棟から軒桁へ向けて、垂木と呼ばれる細い木材を打ち付けます。 これが屋根の下地になります。
屋根仕舞
垂木の上には野地板と呼ばれる板を貼ります。 化粧野地板・化粧垂木といって、仕上がりになります。
屋根下地
屋根の防水シートを張っています。 防水はもちろんですが、室内側の湿気を外部へ通す透湿性のあるシートを張ります。
サッシ
内部は、筋交や構造金物を取り付けていきます。 続いてサッシを取り付けます。
越屋根
越屋根部分の瓦を葺いているところ。 淡路瓦。
小口
垂木の端部の断面のことを小口(こぐち)と言いまして、そこに細工された銅板を巻いています。
戸袋
外部の防水シートを張って、雨戸を納める戸袋をつくっていきます。
天井下地
内部では天井下地をつくっていきます。
外部ラス板
外部の漆喰の下地のためにラス板を打ち付けていきます。
断熱材入れ
内部では天井の断熱材を入れていっています。 パーフェクトバリアという透湿性のあるものを使っています。
天井
杉板の天井を貼っていきます。
天井
和室は竿縁天井。 幅広の杉赤身の板を貼ります。これを縁で押さえます。
建具枠
こちらは玄関の飾り棚(地袋)。 引き違い戸の場合は下部にも敷居を取り付けます。
式台
桧の耳付き風の一枚板を式台に使います。
鎧張り
外壁は、漆喰と板張りを貼り分けます。 下部は杉の赤み板による鎧張りを施工します。
鎧張り
外壁面によって貼り分けています。 鎧張りとはその名の通り見た目が武士の鎧のように見える張り方です。 下から、ちょっとずつ重ねるように貼っていき、その上から押さえ縁で留めるのがポイントです。 押さえ縁も板に合わせて欠きこんだような加工をする必要があります。
フローリング張り
床のフローリングを貼っているところ。 松の2mの長さの板を貼ります。
竿縁天井
和室の竿縁天井が施工されました。 杉の赤み板による天井はこだわりの一品。
壁造作
床を貼ると、間仕切り壁を起こしていきます。
壁造作
こちらは床の間と奥が書斎になっています。 床の間板が施工されています。
造作家具
造作家具を大工さんがつくっていきます。 食品庫です。
床の間
床の間の地袋と天袋部分を造作していきます。
ラス網
漆喰仕上げの前段階となるモルタル下地のために、ラス網を貼っています。 板張りしている部分は、汚れないようにしっかり養生をします。
腰板張り
内部壁仕上げのひとつです。人の腰くらいの高さまで板を張っています。
外壁下地
モルタル中塗り作業中。この後乾燥期間を経て、漆喰を塗ります。
壁仕上
洗面脱衣室の壁に板を張っています。こちらは桧です。
内部足場
勾配天井と越屋根があり高所作業になるので、内部にも足場を設置しました。これから内装仕上げへと進みます。
漆喰下地
仕上げのように見えますが、こちらはコバウ紙。漆喰塗りの下地です。
外壁
仕上の漆喰を塗りました。漆喰は石灰にのりやスサを加えて、水で練ったものです。
外部仕上
外壁の漆喰塗りが終わると、外廻りの仕上は終盤です。この後足場を解体します。
設備
キッチンとカップボードが設置されました。写真奥は通路になっていて、回遊動線となっています。
壁仕上
内部の漆喰塗り作業中です。室内はクリーム系の柔らかい色を使い、落ち着いた印象に。
建具吊込み
リビングと和室をつなぐ引違い戸は、舞良戸(まいらど)です。細い桟を等間隔にいれたもので、書院造の建具として古くから作られてきたそうです。
板塀
外廻りは板塀を作っています。両面に互い違いに板を張ることで、風通しは確保しながら視線は遮ることができます。
濡れ縁
リビングと縁側から出入りのできる濡れ縁です。室内との繋がりができ、お庭や豊かな自然ををより身近に感じることができますね。
完成
「風馨る家」が完成しました!窓から抜ける風が心地よい、和の趣きを感じる空間となりました。